露の玉垣

知り合いに登場人物が多く、ちょっと流れが分かりにくいと言われてもらったので読んだ。
その通りだった。
サイラス・マアナーが書かれたよりもちょっと前の西暦1700年辺りの新発田藩の武士の話で、溝口家とその界隈の人を中心にみんながんばって生きてたんだよってことかな。
洪水被害の後、自分の刀を売って復興の足しにしろって話とかは素直にいい話だな、と思うけど、藩同士の揉め事を解決するために自分が罪をかぶって死刑になるってのは感情移入できない。住民の為、と藩の為の違いと思われる。時代とか社会制度とかをもう少し考えれば同じことなのかもしれないけど、感情的にはって話。
葉隠的武士道というか主人の為、家の為に云々ってのが嫌いだということを再確認した。
ちなみに小説中では家臣列伝というのを執筆しているのですが、これが実際に存在して元ネタになっているようだ。

露の玉垣 (新潮文庫)

露の玉垣 (新潮文庫)